日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
Mycobacterium abscessus肺感染症の2手術例―本邦報告例32例の検討―
大竹 洋介青木 稔田中 里奈石川 浩之
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2014 年 28 巻 2 号 p. 198-204

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抄録

Mycobacterium abscessusM. abscessus)肺感染症の2手術例を報告し,本邦報告例32例とあわせて検討した.症例1は基礎疾患のない45歳男性で,咳嗽,発熱,呼吸困難,胸痛を主訴に,症例2は肺結核,肺非結核性抗酸菌症の既往のある75歳男性で,咳嗽,喀痰,喀血を主訴に受診した.2例とも右上葉切除を施行し術前後にクラリスロマイシン(CAM),アミカシン(AMK),イミペネム/シラスタチン(IPM/CS)を投与し良好な経過で無排菌生存中である.本邦報告例32例を検討すると,肺結核,悪性疾患の既往が多かった.有効と報告されたレジメンの中ではCAM+AMK+IPM/CSが最も多かった.手術例は5例で全例排菌なく退院していた.M. abscessus肺感染症は,病変が限局し耐術能がある症例では,手術及びCAM+AMK+IPM/CSの投与を検討するべきであると考えられた.

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