日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
異所性ACTH産生肺カルチノイドの1例
藤永 一弥伊藤 久人澤田 康裕庄村 遊水元 亨
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2015 年 29 巻 2 号 p. 146-149

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抄録
症例は43歳,男性.薬剤抵抗性の高血圧にて前医受診.顔面色素沈着,中心性肥満を認め血液検査でACTHとコルチゾールが上昇していたため,ACTH依存性Cushing症候群が疑われた.胸部CTで右肺下葉に1.6 cmの結節陰影を認め,ACTH産生肺腫瘍の疑いで手術を施行した.術中迅速診断で肺腫瘍はカルチノイドと診断されたため,右下葉切除+ND2a-1を施行した.術後病理組織検査では,定型肺カルチノイドと診断され免疫染色でACTHが陽性であった.また術後ACTHとコルチゾールは低下しており異所性ACTH産生肺カルチノイドと考えられた.術後13ヵ月再発の兆候なく健在である.
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