症例は13歳,男性.身長180 cm,体重59 kg.突然の呼吸困難にて来院し右高度,左中等度肺虚脱を有する同時両側気胸の診断で一期的手術を施行.両側ともBulla切除後,断端に酸化セルロースシートを貼付した.身体的特徴からマルファン症候群を疑い退院後,専門施設で遺伝子解析中であった.しかし術後4ヵ月目,再び突然の胸痛,呼吸困難が出現し胸部X線にて右は高度,左は軽度肺虚脱を認め同時両側術後再発気胸と診断.両側一期的に再手術を施行した.両側とも前回staple line近傍に気瘻を有する新生Bullaを認めたためこれらを自動縫合器で切除し,今度はポリグリコール酸シートで断端を被覆した.再手術後21ヵ月現在,明らかな再発なく経過観察中である.両側手術後の同時両側再発はまれであり,また近年主流となりつつある酸化セルロースシート断端被覆法は気胸再発予防に適さない可能性もあり文献的考察も交え報告する.