2015 年 29 巻 6 号 p. 718-721
41歳,男性.道路を横断中にバイクと衝突し受傷し当院に救急搬送された.左側胸部に挫創と皮下気腫を認め左胸腔ドレナージが施行されたが,胸部CTで左肺実質が胸腔外に脱出しているのが確認され,緊急手術を施行した.手術時は分離肺換気により肺実質は胸腔内に還納されており,第2-3肋間にかけての骨性胸郭欠損部がヘルニア門と考えられた.骨折した肋骨をトリミング後,肋骨を寄せる直接閉鎖法でヘルニア門を閉鎖した.肺ヘルニアは比較的稀な疾患であるため報告する.