日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
子宮体部扁平上皮癌の肺転移切除後に長期生存した1例
加藤 暢介中里 顕英中川 知己増田 良太佐藤 慎吉岩﨑 正之
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2016 年 30 巻 6 号 p. 767-771

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抄録

症例は78歳女性,2009年8月,不正性器出血にて発症し同月に子宮体癌と診断され,広範子宮全摘出術両側付属器切除術+骨盤内リンパ節郭清術を施行した.切除標本の病理組織診断はSquamous cell carcinoma,Depth;b,左右外腸骨リンパ節・左鼠径リンパ節転移なし,腹水細胞診;陰性,pT1bM0M0,pStage Ibであった.術後補助療法は施行されなかった.

術後半年の胸部CTにて左下葉S9~10末梢に2個の隣接する腫瘤を認め,子宮体部原発の肺転移を疑い当科紹介となった.術前精査にて左下葉以外に明らかな遠隔転移を認めず,診断確定と根治目的に胸腔鏡下左肺下葉部分切除術を施行した.切除標本の病理組織診断は子宮体部扁平上皮癌の肺転移であった.

子宮体部扁平上皮癌の割合は極めて稀で,しかもその肺転移巣切除後の報告は検索した限りないため,報告する.

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