肺癌消極的縮小手術前向き研究(KLSG0801)症例を用いて腫瘍局在(TL)別の腫瘍径(TS)と断端距離(MD)の関係,MD/TSおよび切除断端細胞診(MC)と予後の関係を後ろ向きに検討した.TSとMDの関係はTLがLewis分類Easy(n=18)では正の相関を認めたがDifficult(n=14)では認めず,TSが大きくてもMDは十分確保されていなかった.3生率は,MD/TS>1(n=12)では100%,MD/TS≦1(n=20)では59.7%(p=0.06),MC(-)(n=18)では88.1%,MC(+)(n=5)では20%で,MC(+)は有意に予後不良であった(p=0.001).MC,MD/TSは予後規定因子となる可能性がある.MD/TS>1が重要であるが,Lewis分類DifficultではTS以上のMDの確保が困難である可能性がある.