日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
肺アスペルギルス症術後再燃に対して遺残肺全摘術を施行した1例
渡辺 健寛古泉 貴久廣野 達彦
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2020 年 34 巻 1 号 p. 91-96

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抄録

肺アスペルギルス症術後の同側遺残肺に再燃し,そこを感染源として対側肺炎を起こした症例に遺残肺全摘術を行う経験は稀と考えられたので報告する.症例は64歳,男性.9年前に左肺アスペルギルス症に対して左上葉切除+下葉S6区域切除を施行されている.今回咳嗽・喀痰,食欲低下,体重減少で当院受診.右肺炎,左肺膿瘍の診断で入院し,抗生物質と抗真菌薬が投与された.右肺炎は改善したが,左下葉の肺膿瘍は改善せず,遺残肺全摘術を施行した.術後の経過は良好で,第30病日に軽快退院した.切除検体からアスペルギルスが検出され,肺アスペルギルス症の再燃と診断した.術後8年経過したが再燃を認めていない.

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