日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
経皮的冠動脈形成術に引き続く,抗血小板薬2剤併用療法の後,アスピリン単剤継続下に手術を行った原発性肺癌の1例
米井 彰洋森山 裕一
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2020 年 34 巻 5 号 p. 358-363

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抄録

抗血小板薬2剤併用療法後,アスピリン単剤継続下で手術を行った経皮的冠動脈形成術後の肺癌肺切除症例を報告する.

症例は70歳男性.当院紹介2週間前に労作性狭心症にて前医へ入院となり,薬剤溶出性ステントが留置された.直後よりアスピリン,およびクロピドグレルが開始となった.同入院中に,左肺腫瘍が指摘されたため,当科へ紹介となった.

抗血小板薬2剤併用療法が終了する3ヵ月を待った後,冠動脈造影にてステント留置部の良好な開存を確認し,アスピリン単剤とした.経過中,左下葉肺腫瘍性病変は23 mmから46 mmへのサイズアップを認め,超音波ガイド下経皮針生検で扁平上皮癌の診断を得た.造影CT,PET CTでリンパ節転移,遠隔転移を疑う新規病変は認められなかったため,アスピリン単剤継続下に左下葉切除+ND2a-1を行った.術後経過は良好で,術後6日目に自宅退院となった.

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