日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
肺原発炎症性筋線維芽細胞腫瘍に対する2切除例
賀来 良輔渡邊 敦子益本 貴人白鳥 琢也大塩 恭彦花岡 淳
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2022 年 36 巻 7 号 p. 747-753

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抄録

炎症性筋線維芽細胞腫瘍(Inflammatory myofibroblastic tumor;IMT)は炎症細胞の浸潤を伴う筋線維芽紡錘細胞の増殖から成り,時にALK陽性となる稀な低悪性度腫瘍である.当院での肺原発IMTに対する2切除術を報告する.症例1:60代女性.右大腿脂肪肉腫の術後経過観察目的の胸部CTで左肺上葉に結節を指摘され,転移性肺腫瘍を疑い左肺部分切除術を施行した.腫瘍の免疫染色では特徴的な結果は得られなかったが,腫瘍は炎症細胞浸潤を伴う紡錘形細胞から成り,他疾患の除外および形態像からIMTと診断した.症例2:20代女性.健診の胸部X線写真で異常陰影を指摘.胸部CTで右肺中葉に肺動静脈を一部圧排する腫瘤を認め,胸腔鏡下生検を先行した.腫瘍は炎症細胞浸潤と紡錘形細胞の増殖を認め,ALK陽性だった.形態学的診断および除外診断によりIMTと診断し,右中下葉切除術を施行した.

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