日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
COVID-19を契機に発見された右下葉肺癌に対してCOVID-19治癒後に肺葉切除術を施行した1例
奥谷 大介片岡 正文
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2022 年 36 巻 7 号 p. 833-837

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抄録

75歳,男性.間質性肺炎の既往あり.会合に出席後SARS-CoV-2陽性と判明したが無症状であった.発症7日目に呼吸困難を自覚した.CTでは,肺癌が疑われる4.1 cmの腫瘍が右下葉に認められた.また両側肺野にびまん性スリガラス陰影や左右底区に優位な網状影が認められた.COVID-19の重症度は中等症IIと評価され入院加療した.入院17日目に退院となった.

経過観察のため発症7週後に施行した胸部CTではスリガラス陰影の改善が確認され,全身検索ではリンパ節転移や遠隔転移などを疑う所見はなかった.発症13週後に右下葉切除術が施行された.術後7日目,在宅酸素療法を導入して退院となった.術後4ヵ月経過した頃より在宅酸素療法が不要となった.手術1年後の呼吸機能では1秒量は術前と同じレベルであった.CTでも間質性肺炎の増悪は認めず,無再発生存中である.

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