日本呼吸器外科学会雑誌
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原著
胸腔子宮内膜症性気胸の肺囊胞性病変の特徴
田畑 圭佑坪島 顕司大橋 康太栗原 正利
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2025 年 39 巻 6 号 p. 474-480

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抄録

胸腔子宮内膜症性気胸(TEP)は,子宮内膜組織が横隔膜や胸膜に生着することで肺の虚脱を起こす疾患である.胸腔内への空気の流入経路には諸説あるが,臓側胸膜病変の破綻も原因と考えられている.臓側胸膜病変は血腫様病変以外に,ブラを形成することがわかってきた.一方で,好発部位や発生機序については未だ不明な点が多い.TEPの病態解明のため,当院で初回手術を行ったTEP 108例と原発性自然気胸(PSP)434例のブラの好発位置について調査し,両者の好発部位であるS1,S4,S6ブラの特徴を比較した.TEPでは48.1%にS4ブラを認め,PSPでは90%以上にS1ブラを認めた.S6ブラの発生において,TEPでは50%が側面に発生していたが,PSPでは88.7%が辺縁に発生していた.TEP特有のブラの発生部位を考慮することで,臓側病変の見落としを減らし,効果的な補強を行うことで再発率の減少が期待できる.

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