症例は60歳代女性,非喫煙者,粉塵およびアスベスト暴露歴なし.検診胸部X線で右上肺野結節影を指摘され,胸部造影CTで前胸壁の右第2肋骨背側から第2肋間にextrapleural sign陽性,辺縁平滑な1.9 cmの造影効果を伴う胸壁腫瘍を認めた.FDG-PETでは腫瘍に一致してSUVmax 6.6の異常集積を認めたがそのほかの部位への異常集積は認めなかった.肋骨や肋間筋への浸潤を疑う所見はなく,孤在性線維性腫瘍,神経原性腫瘍が鑑別に挙げられ,診断加療目的に胸腔鏡下右胸壁腫瘍切除術を施行した.病理検査で,硝子血管型Castleman diseaseと診断された.単中心性であり外科的切除で治癒が期待できるため,本症例は無治療経過観察の方針とし,術後1年,再発なく経過している.
胸壁原発単中心性硝子血管型Castleman diseaseの1例を経験した.稀な症例であり文献的考察を加え報告する.