日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
健診で発見された無症候の先天性気管支閉鎖症の1手術例
生田 理紗奥田 昌也
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2025 年 39 巻 6 号 p. 495-500

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抄録

先天性気管支閉鎖症(congenital bronchial atresia:CBA)はまれな疾患であるが,近年は画像検査技術の進歩により術前診断が可能となり,報告数が増加している.無症候で発見される症例も少なくないが,外科的切除の適応については一定の見解が得られていない.症例は15歳男性,高校入学時の健診での胸部レントゲン写真で異常を指摘されて受診した.CTで下葉頂部の腫瘤影と下葉前方の気腫状変化,およびB6気管支の閉塞所見を認め,経過や他の画像所見と併せて,CBAもしくは肺内分画症と診断した.将来的な感染や膿瘍形成のリスクおよび正常肺の成長阻害のリスクを本人と家族に十分に説明した上で,手術を施行した.術後経過は良好で,合併症なく経過している.健診で発見された無症状のCBAに対して外科的切除を施行した1例を報告する.

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