日本呼吸器外科学会雑誌 呼吸器外科
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肺癌を含む重複癌及び肺内多発癌の検討
大津 康裕原 信之本広 昭一瀬 幸人竹尾 貞徳三宅 純山崎 世紀大田 満夫
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キーワード: 重複癌, 肺内多発癌
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1988 年 2 巻 4 号 p. 230-236

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抄録
昭和49年8月より当院で, 肺癌を含む二重癌67例, 肺内多発癌8例及び喉頭癌を合併した肺内多発癌1例を経験した.
二重癌は, 男性では胃癌, 喉頭癌が, 女性では, 子宮癌が多く合併した.これらの症例の肺癌の治療成績は, 肺切除が行われたI-III期の32症例では, 5年生存率62%と良好であり, 手術適応があれば肺切除を行うべきと考えられた.
肺内多発癌は, 第一癌と第二癌の組織型が同一のものが8症例中7例みられ, 不明の1例を除くといずれも重喫煙者であり, 癌発生に喫煙との関連が示唆された.これらの症例も第一癌には手術をされることが多いが第二癌には非観血的治療となる症例が増加した.喉頭癌を合併した1例は次々と気道系に癌が発生しているが, レーザー治療を含む集学的治療で3年担癌状態ではあるが生存中である.
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