日本呼吸器外科学会雑誌 呼吸器外科
Online ISSN : 1884-1724
Print ISSN : 0917-4141
ISSN-L : 0917-4141
食道超音波内視鏡診断が有用であった食道嚢胞の1治験例
芦野 有悟佐川 元保半田 政志鈴木 聡佐藤 雅美谷田 達男小池 加保児藤村 重文蒲生 真紀夫玉橋 信彰
著者情報
ジャーナル フリー

1989 年 3 巻 5 号 p. 612-616

詳細
抄録

胃食道接合部に発生した食道嚢胞の一例を経験した.食道造影, CT, 食道内視鏡の各術前検査では食道粘膜下腫瘍が疑われた.食道超音波内視鏡を施行したところ, 境界明瞭, 内部エコー均一, 辺縁平滑, 後方エコーの増強の所見がえられ食道嚢胞と診断した.手術所見では, 胸部下部食道の横隔膜上に食道筋層に被包された嚢胞を認めた.別出標本の内容物は茶褐色ゲル状のものであった.組織学的に内腔面を多列線毛円柱上皮が覆いその外層に互いに直行する二層の平滑筋層を認め食道嚢胞であることを確認した.食道嚢胞の術前検査に食道超音波内視鏡が有用であった.

著者関連情報
© 日本呼吸器外科学会
前の記事
feedback
Top