日本呼吸器外科学会雑誌 呼吸器外科
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漏斗胸手術の運動負荷時呼吸機能に及ぼす影響
神楽岡 治彦川名 英世田原 士朗板岡 俊成大貫 恭正横山 正義新田 澄郎
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1992 年 6 巻 4 号 p. 453-459

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抄録

漏斗胸手術の運動負荷時呼吸機能に及ぼす影響について検討した.漏斗胸患者11例の術前および術後6ヵ月に安静時呼吸機能検査, ランプ負荷による運動負荷試験, 呼気ガス分析を施行した.最大運動時には, 手術前後でそれぞれVo2/body weight : 34.1±4.3, 33.6±3.3l/kg/min, VE/body weight : 1075±220, 1232±215ml/kg/min, VT/body weight : 26.0±3.1, 27.0±3.4ml/kg, 02-Pulse : 10.4±3.3, 9.9±2.3ml/beatであり有意差は認められなかった.anaerobic thresholdおよび他の諸量にも術前後の値に差は認められず, 漏斗胸手術後の重要な課題である運動負荷時呼吸機能は, 術後6ヵ月には, 術前と同じ状態にあることが示された。また, 胸肋挙上術と胸骨翻転術の術式による術後の運動負荷時呼吸機能に差異は見られなかった.

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