日本呼吸器外科学会雑誌
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胸腔鏡下に切除しえた胸管嚢腫の一例
室 雅彦成末 允勇金 仁沫大崎 俊英宇田 憲司白川 靖博
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キーワード: 胸管嚢腫, 胸腔鏡手術
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1996 年 10 巻 7 号 p. 789-792

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抄録
症例は62歳, 男性.検診の胸部X線で左肺門異常陰影を指摘され入院.胸部CT, MRI検査にて, 大動脈弓に接する表面平滑, 境界鮮明な嚢胞性腫瘤を認めた.胸腺嚢腫を疑い, 胸腔鏡下に手術を施行した.腫瘤は左上縦隔内で大動脈弓に近接していて, 直径約6cmの球形嚢腫であった.内容液は乳糜であり胸管と交通していたので胸管嚢腫と診断した.縦隔胸管嚢腫は極めて稀で, 術前診断は困難であるがCT, MRIが有効である.治療としては腫瘤の摘出により, 予後良好である.
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