日本呼吸器外科学会雑誌
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月経随伴性気胸の一例
山田 陽井上 紀雄
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1996 年 10 巻 7 号 p. 808-812

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抄録
月経随伴性気胸 (catamenial pneumothorax) の1例に対し胸腔鏡下に手術を施行, 良好な結果を得たので報告した.症例は46歳女性, 月経時期に一致して2度の右気胸を発症した.当院婦人科にて異所性子宮内膜症を検索, 骨盤腔MRI等を施行したが, はっきりとした子宮内膜症の所見は得られなかった.しかし病歴から月経随伴性気胸を強く疑い, 胸腔内観察および外科的治療目的に胸腔鏡下に手術を施行した.右胸腔内を検索すると, 横隔膜腱中心に10数個の小孔と異所性子宮内膜症に特徴的所見であるblueberryspotを多数認めた.第7肋間に小開胸を追加し, 横隔膜病変部を切除, 縫縮した.また右肺下葉S8に気腫性肺嚢胞を1個認めたので, 同部を切除した.病理組織学的検査では横隔膜, 肺組織ともに子宮内膜組織を認めなかったが, 再発予防のため酢酸ブセレリンによるホルモン療法を施行した.現在のところ再発を認めず経過良好である.
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