日本呼吸器外科学会雑誌
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鈍的外傷による縦隔内気管損傷の1例
入山 正杉村 修一郎服部 良信渡辺 浩次根木 浩路山下 満加納 秀記
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1996 年 10 巻 7 号 p. 813-816

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抄録
鈍的胸部外傷による縦隔内気管損傷に対して開胸修復術を行った.症例は63歳, 男性.1994年3月28日, 機械に胸部をはさまれて受傷した.胸部X線写真で縦隔気腫を認め, 胸部CTで縦隔気腫ならびに気管膜様部の断裂像を認めた.気管支鏡では気管分岐部直上の気管膜様部に, 約4軟骨輪にわたり縦走する裂創を認めた.3月31日手術を行った.右開胸により気管を露出し, 膜様部裂創約3.5cmを5-0ポリグリコネート・モノフィラメント糸で縫合した.術後経過は良好で, 気管支鏡所見も問題なく, 術後40日目に退院した.現在術後2年であるが狭窄などの異常所見はない.
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