日本呼吸器外科学会雑誌
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肺癌を疑った肺犬糸状虫症の2手術例
中村 隆之横見瀬 裕保磯和 理貴平田 敏樹福瀬 達郎水野 浩乾 健二池 修和田 洋巳人見 滋樹
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1996 年 10 巻 7 号 p. 817-821

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抄録
症例1は45歳, 女性, 症例2は50歳, 男性, いずれの症例も検診で肺野に孤立性銭形陰影を発見された来院した.その他の諸検査で異常を認めなかったが, 肺癌を否定できないため肺部分切除を行った.病理組織で壊死を伴う肉芽腫様組織中に犬糸状虫の虫体を認め肺犬糸状虫症と診断した.肺犬糸状虫症の報告は近年増加しているが, 特異的所見に乏しく非観血的診断が困難である。銭形陰影を呈する肺病変, 特に肺癌との鑑別診断に肺犬糸状虫症を考慮する必要がある.
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