日本呼吸器外科学会雑誌
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15年間経過観察後胸腔鏡下に核出した硬化性血管腫の1例
川真田 修石塚 真示渡邊 剛正
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1997 年 11 巻 7 号 p. 856-860

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抄録

症例は69歳女性.1981年の検診で胸部異常陰影を指摘され近医受診.精査し良性肺腫瘍の診断で経過観察されていた.1996年の胸部X線で腫瘍の若干の増大を認めたため, 切除目的で当科紹介された.全身麻酔下にトロッカーを3ヵ所より挿入し, 胸腔鏡下に腫瘍核出術を施行した.切除組織の免疫組織学的検討では, alpha-smooth muscle actin, Cytokeratin, CD68, Virnentine, が陽性であり, c-myc, p53, CD34, estregen receptor, progesterone receptorをま陰性であった.肺硬化性血管腫は, 長期間経過観察され, 腫瘍の増大傾向が乏しく, CTなどの精査で転移の所見がなければ良性腫瘍と診断してよく, このような腫瘍に対しては, 胸腔鏡下核出術を選択してもよいと思われた.

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