日本呼吸器外科学会雑誌
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肺癌手術における在院期間の短縮 : 当院の試み
医療保険料定額払い方式の時代を迎えて
大淵 俊朗竹内 惠理保
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1998 年 12 巻 2 号 p. 104-106

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抄録

当院での肺癌手術症例における術後在院日数の短縮について検討した.1997年4月以降, 当院では全肺癌手術症例に対し術前に病名を告知し, 早期社会復帰の必要性を説明している.その同意のもと同年9月までの6ヵ月間に胸腔鏡下肺葉切除術24例, 前側方小開胸肺葉切除術20例, 標準開胸肺葉切除術2例, 前側方小開胸肺摘除術1例, 試験開胸1例の計48例を施行した.その内, 術後間質性肺炎が急性増悪した1例と術後脳梗塞の1例及び試験開胸1例を除いた45例において, 術後平均在院日数は同年4月, 16.9日;5月, 14.6日;6月, 13.5日;7月, 9.0日;8月, 7.1日;9月, 6.6日と漸減した.患者教育・術後除痛処置・術後管理の変更がこの要因と考えられるが, 医療保険料定額払い制度が検討されている今日, われわれも在院期間短縮と医療レベルの維持向上, 及び保険制度の問題点について真剣に検討すべきであろう.

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