日本呼吸器外科学会雑誌
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左右同時切除を施行した両側性肺癌の1例
一木 克之杉山 茂樹原 祐郁土岐 善紀池谷 朋彦津田 基晴三崎 拓郎
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1998 年 12 巻 6 号 p. 722-725

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抄録
症例は64歳, 女性.検診の胸部X線写真で, 左下肺野異常陰影を指摘され, TBLBにて腺癌と診断.また胸部CTにて右下葉の腫瘤も発見された.リンパ節転移はないと判断された.両側性肺癌を疑い, 胸腔鏡下に手術を施行した.右下葉の腫瘤は術中の迅速病理にて, 肺胞上皮癌と診断した.肺胞上皮癌はstage Iの場合, 区域切除も葉切除も生存率において差はないという報告が多いため, 呼吸機能の温存も考えて区域切除術を施行した.左の腺癌に対しては下葉切除術を施行した.術後経過は良好であった.
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