日本呼吸器外科学会雑誌
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肺Inflammatory pseudotumorの3例
福原 哲治牧原 重喜梅森 君樹大西 真人
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1998 年 12 巻 6 号 p. 730-734

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抄録
3例のInnammatory pseudotumor (以下, IPT) を経験した.症例は67歳, 35歳, 56歳で, いずれも女性であった.自覚症状が認められたのは1例で, 肺の炎症の既往が疑われたものはなかった.画像上, spiculaや胸膜陥入像などの悪性所見を認めたものは2例, 増大傾向を認めたものは1例であった.経気管支肺生検 (TBLB) が施行されたものは2例であったが, 術前に確定診断が得られたものはなく, それぞれ開胸肺生検, 肺葉切除, 胸腔鏡下肺生検が施行された.本症は良性疾患であるため, 侵襲の少ない術式を選択する必要があるが, 生物学的特性には不明な点が多く, 病変の完全切除を心がける必要がある.また, 術前診断が困難であるため, 今後は胸腔鏡下切除による診断・治療が増えてくるものと思われる.
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