1999 年 13 巻 2 号 p. 103-107
Lung Volume Reduction Surgery (LVRS) 後エアリークにて再手術を要した症例について検討した.1995年7月から1998年3月までに施行した胸骨正中切開下両側LVRSは46例で, エアリークにて再手術を要した症例は7例 (15%) であった.初回手術から再手術までの期間は1例 (8日目) を除き術後2日目から4日目で, いずれも咳嗽を誘因としてエアリークの増強を認めたため再手術を行った.エアリークは7例中6例で肺切離線から離れた気腫状肺の破裂によるものであった.術後7例中6例に自覚症状, 呼吸機能の改善を認めたが, 1例は術後人工呼吸器から離脱できず, 術後11ヵ月目に他病死した.再手術例と非再手術例との間で術前の諸因子, 術前の呼吸機能, 手術時間, 出血量, 胸膜癒着の程度, 自動縫合器の使用回数, 肺切除量に有意差は認めず, 術前, 術中所見から本合併症を予測することは困難と思われた.