日本呼吸器外科学会雑誌
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肺海綿状血管腫の一例
谷口 哲郎井関 一海中出 雅治渡辺 裕介弘野 慶次郎
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1999 年 13 巻 5 号 p. 643-648

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抄録
稀な疾患である肺海綿状血管腫を経験したので報告した.症例は36歳の女性.症状無く検診の胸部レントゲン写真で発見された.胸部CT上は, 径約1cmの腫瘤影, 左舌区の末梢 (S5b) で胸壁に接し境界鮮明, 辺縁は整.腫瘤は胸腔鏡下に肺部分切除で摘出した.腫瘤割面均一で柔らかく充実性, 血液に富み周囲肺組織とは明瞭に境されていた.病理所見で, 大小の不規則に拡張した血管の増生を認め, 血管の硬化性の硝子化や線維形成を伴っていなかった.免疫組織学的には, 血管内腔はすべて抗CD 34抗体で染色された.
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