日本呼吸器外科学会雑誌
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胸腔鏡下に切除し得た肺葉外肺分画症の1例
安達 勝利高尾 仁二駒田 拓也徳井 俊也下野 高嗣矢田 公並河 尚二
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1999 年 13 巻 6 号 p. 749-753

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抄録
症例は48歳, 女性.自覚症状なく偶然, 後縦隔腫瘍を疑わせる異常陰影を発見された.画像診断上良性腫瘍と診断し, 胸腔鏡下摘出術を施行した.腫瘤は胸膜に被われ, 奇静脈付近とつながる細い茎を有し, 容易に摘出できた.病理診断にて未分化な気管支と分化した気管支の混在を認め, 肺葉外肺分画症と診断した.本例は組織学的に胎生5~6週目 (腺様期初期) 頃の肺組織像を認め, 肺葉外肺分画症の発生機序として, 胎生初期に正常肺より分離するとするtraction theoryと合致する所見であった.
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