日本呼吸器外科学会雑誌
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salvage surgeryを施行した扁平上皮癌の1例
卜部 憲和影山 善彦渡部 克也
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1999 年 13 巻 7 号 p. 858-861

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抄録
症例は52歳, 女性.右S3発生の扁平上皮癌cTNM stage III Bに対し2kurの化学療法を施行しycTNMにdown stagingが得られたが, 手術に同意を得られなかったため放射線治療60Gyを施行した.その後, PRを維持していたが, 治療終了1年4ヵ月後に局所再発したため右肺全摘・リンパ節郭清術および気管支断端の広背筋弁による被覆術を施行した.術後難治性肺炎を合併したが, 気管支断端痩は認められず広背筋弁による気管支断端被覆が有効であった, と考えられた.本症例はいわゆるsalvage surgery の症例であり, 治療開始後4年9ヵ月, 術後2年10ヵ月の現在, 再発・転移を認めず外来経過観察中である.
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