日本呼吸器外科学会雑誌
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ACTH産生胸腺カルチノイドの2手術例
本邦報告例の検討
服部 良信入山 正渡邉 浩次根木 浩路加納 秀記杉村 裕志杉村 修一郎
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2001 年 15 巻 1 号 p. 60-66

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抄録

まれなACTH産生胸腺カルチノイドの2手術例を経験した.症例1は29歳の男性.1990年9月副甲状腺機能亢進症で副甲状腺摘出術を施行.1991年5月前縦隔腫瘍を指摘され, 血中ACTHが高値で, 8月拡大胸腺摘出を施行した.縦隔リンパ節転移を認めた正岡分類IVbの胸腺カルチノイドで, 多発性内分泌腺腫瘍症を合併していた.術後放射線照射と化学療法を施行した.再発のため1997年3月と1999年4月に化学療法を施行し, 現在経過観察中である.症例2は28歳の男性.1999年7月浮腫, 呼吸困難, 胸痛が出現した.左縦隔腫瘍と胸水を認め, 血液検査でACTHの高値を認めた.8月腫瘍摘出術を施行し, 病理は胸腺カルチノイドであった.術後放射線照射と化学療法を施行し, 現在経過観察中である.本邦で報告されたACTH産生胸腺カルチノイドは20例で, われわれの2例を加えて検討した.

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