日本呼吸器外科学会雑誌
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乳癌孤立性胸骨転移に対して胸壁全層切除再建術を施行した3例
小沢 恵介山崎 弘資杉本 泰一梶浦 由香佐藤 一博斎藤 幸裕数野 圭笹嶋 唯博
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2001 年 15 巻 4 号 p. 476-479

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抄録
乳癌術後胸骨転移3例に対し, 胸壁全層切除再建術を施行した.症例は, 48-62才の女性.胸筋合併乳房切除術後3~13年で, 1例は右胸鎖関節部, 他の2例は胸骨に転移再発を認めた.手術は, 1) 胸骨柄'体部分切除, 両側鎖骨骨頭及び第1~3肋軟骨切除術, 2) 胸骨全切除, 左鎖骨及び第1~3肋骨部分切除術, 3) 胸骨柄・体部分切除, 左鎖骨及び第1~3肋骨部分切除術を施行した.再建は, マーレックスメッシュ単独, チタンプレート単独, マーレックスメッシュ+チタンプレートにて行い, 組織補填には, 有茎対側乳房, 有茎又は遊離腹直筋皮弁を用いた.胸壁の欠損が小さければ, マーレックスメッシュ単独の再建が可能であるが, 胸骨体に及ぶ切除には, チタンプレートにマーレックスメッシュを固定する方法が有効であり, 術後早期の抜管が可能であった.皮膚軟部組織の再建には遊離腹直筋皮弁が最適と考えられた.
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