日本呼吸器外科学会雑誌
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ランゲルハンス細胞組織球症と診断された自然気胸の2例
寺本 晃治佐藤 寿彦岩切 章太郎佐原 寿史岡崎 強塙 健山下 直己松井 輝夫桑原 正喜松原 義人
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2001 年 15 巻 4 号 p. 480-484

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抄録
症例1は17歳の男性で呼吸困難を主訴に近医を受診, 右自然気胸と診断された.当院での胸部CT写真では明らかな嚢胞状陰影は認めなかったが手術所見ではS3に胸膜が赤色に変化した多数のブレブを認めた.同部位の病理検査では線維化の所見であったが電顕所見ではバーベック顆粒を有するランゲルハンス細胞を認めた.症例2は24歳の男性で呼吸困難を主訴に近医を受診, 左自然気胸と診断された.当院での胸部CT写真では明らかな嚢胞状陰影は認めなかったが手術所見では左上葉外側面に径5mm以下のブラを多数認めた.摘出標本の病理検査では線維化の所見であったが電顕所見ではバーベック顆粒を有するランゲルハンス細胞を認めた.症例1, 2共に電顕所見よりランゲルハンス細胞組織球症と診断された.本疾患は自然気胸を契機に発見されることがあり本症例でも引き続き他病変の有無の検索, 経過観察が必要と考えらえれた.
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