抄録
局所進展型非小細胞肺癌症例4例に対し, シスプラチン (CDDP) +ビノレルビン (VNB) による術前化学療法を2~3コース施行し, PR2例, MR2例の臨床的効果を得た.手術適応ありと評価された3例に対し手術を施行し, Ef2 2例, Ef3 1例の組織学的効果を得た.術前化学療法の副作用として, 全例にGrade 3の白血球減少を認めたがG-CSF製剤の使用により速やかに改善した.輸血を必要とした血色素量減少を認めたのは1例であった.また放射線照射を加えた3コース目を実施した症例ではGrade 3の悪心・嘔吐を認めたが, CDDP+VNBによる術前化学療法の毒性は概ね許容範囲内であった.今後更に症例を重ね, 有用性を検討していきたい.