日本呼吸器外科学会雑誌
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IABPを用いた血行再建困難な虚血性心疾患合併肺癌
神崎 正人大貫 恭正西内 正樹舘林 孝幸小山 邦広杉村 雅秀新田 澄郎
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2002 年 16 巻 2 号 p. 113-116

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抄録
重症冠状動脈病変を有する肺癌肺切除症例では致命的な心合併症の発生が危惧され, 手術適応, 術式の選択, 周術期管理には注意を要する.
1987年7月から1998年12月までに原発性肺癌で肺切除術を施行した694例中, 虚血性心疾患 (以下IHD) 合併肺癌は69例 (9.9%) で, 4例の重症虚血性心疾患合併原発性肺癌に対し大動脈内バルーンパンピング (以下IABP) を併用し安全に肺切除を行い, 良好な結果を得たので報告する. 抗凝固療法に伴う出血量の増大に注意することで, 冠動脈血行再建が困難な高度冠状動脈病変を有する肺癌症例において, IABPを挿入することで周術期心合併症を回避した肺切除は可能である.
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