日本呼吸器外科学会雑誌
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80歳以上の肺癌切除例の臨床的検討
高岡 和彦木村 文平時光 昭二相河 明規
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キーワード: 高齢者, 原発性肺癌
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2003 年 17 巻 6 号 p. 635-639

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抄録
原発性肺癌645例中, 80歳以上の高齢者27例 (4.2%) を対象として背景因子, 合併症, 術後生存率などを検討した.病理病期は1期が19例, 術式は1葉切除が21例, リンパ節郭清はND1が14例であった.術前の合併症は24例に認め, 術後合併症は12例に認めた.また, 手術死亡2例, 在院死亡1例を認めた.累積5年生存率は47.8%で70歳台の累積5年生存率40.8%と比べて有意差は認めなかった.病理病期別累積5年生存率では, IA期66.8%であった.80歳以上の高齢者に対して縦隔郭清を省略し縮小手術とする割合が多かった.今後, 80歳以上の高齢者肺癌1期症例に対しては術前の全身状態が良好であれば縮小手術の適応が拡大されると思われる.
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