日本呼吸器外科学会雑誌
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経横隔膜中心静脈圧による術後横隔膜機能モニターの実験的試み
野木村 宏
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1992 年 6 巻 6 号 p. 628-633

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抄録

術後の横隔膜機能と経横隔膜中心静脈圧の関連性について, 動物実験にて検討した.
雑種成犬を用い全麻・自発呼吸下に上腹部正中切開で開腹した.全麻・自発呼吸 (室内気) 下における手術前後の食道内圧 (Pes), 胃内圧 (Pga), 上大静脈圧 (PSVC), 下大静脈圧 (PIVC) を測定し, 各圧の呼吸による変化 (ΔP) から経横隔膜消化管圧の変化ΔPdi (=ΔPga-ΔPes) と経横隔膜中心静脈圧の変化ΔP'di (=ΔPIVC-ΔPsvc) およびΔPga/ΔPdiとΔPIVC/ΔP'diを求め比較した.
ΔPdi, ΔP'di共有意に低下し (p<0.01, p<0.05), 各々の変化率は, -37.25±20.17%と一23.25±10.30%で有意な相関を示した (r=0.85, p<0.01).ΔPga/ΔPdi, ΔPIVC/ΔP'diは共に有意な変化は無かった.
経横隔膜中心静脈圧を術後横隔膜機能の連続モニターの指標として臨床応用する可能性が示された.

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