日本呼吸器外科学会雑誌
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根治術後に無事出産しえた妊娠時肺癌の一例
横手 薫美夫長田 博昭平 泰彦栗栖 純穂山手 昇中村 俊夫高木 正之
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キーワード: 肺癌, 妊娠
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1993 年 7 巻 2 号 p. 172-177

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抄録
妊娠に合併した30歳女性の原発性肺癌を経験した.患者は肺の異常影を指摘され, その直後に妊娠16週と診断された.入院精査の結果肺癌Stage Iと診断し, 母体が安定した妊娠24週で無事肺癌根治術を施行した.肺門縦隔リンパ節にも転移はなく, 患者は妊娠を継続し無事に児をえた.術後2年経過した時点で母親における再発もなく, 児の発育も経過良好で共に健在である.妊娠に合併した肺癌は, 進行癌でない限り, 妊娠を継続しつつ根治術を施行すべきと思われた.
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