日本呼吸器外科学会雑誌
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両側性巨大肺嚢胞に気胸を合併した高度の呼吸不全症例に対する外科治療経験
遠藤 千顕斉藤 泰紀芦野 有悟薄田 勝男高橋 里美菅間 敬治佐川 元保佐藤 雅美永元 則義岡庭 群二藤村 重文
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キーワード: 両側性巨大肺嚢胞症
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1994 年 8 巻 1 号 p. 59-64

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抄録

高度の呼吸不全を呈した両側性巨大肺嚢胞症に対し手術を施行した.症例は, 65歳, 男性.1986年暮れより繰り返す咳嗽, 喀痰, 呼吸困難に対し, 内科的治療を試みてきたが症状の改善を見ず, 1991年2月には呼吸困難のため自力歩行不能となり, また左気胸を合併したため同年5月当科へ入院した.手術は, 2期的開胸にて, ブラに隣接した肺組織を可及的に温存すべくブラ切除を施行した.術後気漏, 肺炎等の合併症にかなり難渋したが, 症状, 呼吸機能の著明な改善を達成することができ, 現在では普通に日常生活が可能である.本症例のように極めて不良な全身状態にあるものでも, 十分な術前評価を行い, 症例に応じた開胸法, 術式を採用することにより症状, 機能の著明な改善が得られるので, 積極的に手術を考慮すべきであると考えられた.

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