日本呼吸器外科学会雑誌
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高齢者の末梢型早期扁平上皮癌に対して胸腔鏡下縮小手術を施行した1例
黄 政龍北野 司久神頭 徹長澤 みゆき
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1994 年 8 巻 1 号 p. 70-74

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抄録

症例は胸部異常影を主訴に来院した81歳, 男性である.胸部X線と胸部CTでは左上葉に径1cmの末梢性の肺腫瘤陰影がみられた.気管支鏡下生検で扁平上皮癌を認め, cT1N0M0 stage Iと診断した.患者は高齢であり, 閉塞性換気障害と不整脈, 糖尿病も合併していることから, 手術侵襲の少ない胸腔鏡下肺部分切除術を施行した.術後創痛は少なく, 早期離床が可能であり, 術後合併症はなく, 術後肺機能の温存もみられた.
高齢者や低肺機能などのハイリスク症例における末梢型早期肺癌 (特に扁平上皮癌) に対して, 胸腔鏡下縮小手術は侵襲の少ない外科的治療である.

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