日本呼吸器外科学会雑誌
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転移性肺腫瘍に対する外科治療100例の成積
大久保 哲之大坂 喜彦成田 吉明岩井 和浩西部 俊哉道家 充高橋 利幸奥芝 俊一加藤 紘之岡安 健至橋本 正人田辺 達三
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1995 年 9 巻 1 号 p. 2-8

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抄録

1966年から1992年までの間に当科で100例の転移性肺腫瘍に対し外科治療を行なった.内訳は男性58例, 女性42例, 癌腫74例, 肉腫26例で, 年齢は6ヵ月から77歳 (平均年齢47.2歳), 癌腫52.5歳, 肉腫31.9歳であった.原発腫瘍別では, 腎癌16例, 骨肉腫 (12例, 大腸癌10例, 絨毛癌9例, 軟部組織肉腫8例, 乳癌7例, 睾丸腫瘍7例, 肺癌7例, 骨肉腫以外の骨原発肉腫6例, 喉頭癌3例, その他15例であった.腫瘍倍加日数 (Tumotr DoublingTime;T.D.T.) は平均75.4日, 無病期間 (Disease Free Interval;D.F.I) は平均22.5月であった.転移個数は平均3.7個, 癌腫2.8個, 肉腫6.2個であった.術式は小範囲切除 (核出, 部分切除, 区域切除) を原則とし, 片側50例, 両側24例の74例に施行した.肺葉切除は26例に施行した.累積5年生存率は36.8%であった.原発腫瘍の種類が予後に最も影響を与えていた.また, 肺転移再発に対する再切除は14例であった.

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