複言語・多言語教育研究
Online ISSN : 2435-8657
Print ISSN : 2188-7403
観光・メディア・外国語教育を統合したPBLの教授設計
杉江 聡子
著者情報
ジャーナル フリー

2023 年 11 巻 p. 62-77

詳細
抄録
本研究の目的は、外国語教育、観光教育、情報メディア教育を統合したPBL(Project-Based Learning)の教授設計の成果と課題の探究である。学習者(留学生)の専門と直結する体験型学習を実践し、ICTを活用した協同学習を通じて外国語の運用機会を増やし、複合的な学習成果を評価した。大学の観光学系のゼミでVRを用いた多言語バーチャルツアーを開発し、学習成果と教授設計について質的に評価した。成果物は一定の質と量を満たしたが、日本語運用能力の個人差が大きく、活動時の支援に加えてAI等の活用の必要性が示唆された。教授設計はライゲルースの「デジタルメディア協働製作のデザイン」を基に評価し、シラバスの再設計、具体的スキルの評価方法とルーブリックの確立、日誌・ログの記録と導入、失敗の共有と相互フィードバック、評価者や真正なユーザーの範囲拡大、ユーザー評価の再定義、リーダーシップの育成、リソースの最適化、時間管理の再検討等の改善方針が明らかになった。
著者関連情報
© 2023 一般社団法人 日本外国語教育推進機構
前の記事 次の記事
feedback
Top