複言語・多言語教育研究
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最新号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
  • 中野 佳代子
    2023 年11 巻 p. 3-13
    発行日: 2023/12/01
    公開日: 2025/04/27
    ジャーナル フリー
  • 大山 万容, 梶山 祐治
    2023 年11 巻 p. 14-29
    発行日: 2023年
    公開日: 2025/04/27
    ジャーナル フリー
    本稿は芸術を用いた複言語・異文化間教育研究として、大学のフランス語教育の授業で行った、フランス人監督によるロシア語・フランス語映画を用いた文化教育実践を取り上げる。参加者はフランス語を履修する学部生40名で、映画鑑賞後に映画研究者による講義を受けた。参加者が講義の前後に報告した省察テクストを質的に分析した結果、国際的な共同製作作品であるフランス映画を通して、フランス語学習の動機付けの向上からソ連時代のウクライナにおける弾圧や東西の複雑な関係といったテーマへの関心の拡大まで、幅広い学習が認められた。
  • 髙阪 香津美
    2023 年11 巻 p. 30-45
    発行日: 2023年
    公開日: 2025/04/27
    ジャーナル フリー
    本稿では、日本の高等学校でポルトガル語教育に従事する2名の教師を対象に半構造化インタビューを実施し、ポルトガル語の教育実践の経験は担当教師にいったい何をもたらすのか、つまり、教師にとってポルトガル語の教育実践はどのような意味を持つのかについて検討した。その結果、教師と生徒、教師と教師、生徒と生徒が互いに学びあう中で、日本語母語話者の教師には教師としてのやりがいや楽しさが、一方、母語話者の教師には教師としての自覚とともに、ブラジル人としての自身の捉え方に変化がもたらされた。
  • 授業録画とインタビュー調査に基づいて
    佐藤 有理
    2023 年11 巻 p. 46-61
    発行日: 2023年
    公開日: 2025/04/27
    ジャーナル フリー
    本稿は、外国語教育の学習成果がどのように獲得されるのかを考察したものである。事例として、北米の日本研究者・日米間の実務家育成を目的とする日本語教育機関において実践されている「待遇表現」の指導を取り上げる。その中で、日本語学習を通じて「丁寧な私」を獲得したという認識が、どのように形成されたかを探る。まず「待遇表現」の授業を行った上で、学習者に授業録画の視聴を伴うインタビュー調査を行い、批判的文化アウェアネスの概念を用いて分析を行った。その結果、待遇表現の指導という教育的介入は、学習者がそれまで経験してきた文化体験と混ざり合い、活発に作用することで、批判的文化アウェアネスを顕在化させることに寄与していることが明らかになった。
  • 杉江 聡子
    2023 年11 巻 p. 62-77
    発行日: 2023年
    公開日: 2025/04/27
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は、外国語教育、観光教育、情報メディア教育を統合したPBL(Project-Based Learning)の教授設計の成果と課題の探究である。学習者(留学生)の専門と直結する体験型学習を実践し、ICTを活用した協同学習を通じて外国語の運用機会を増やし、複合的な学習成果を評価した。大学の観光学系のゼミでVRを用いた多言語バーチャルツアーを開発し、学習成果と教授設計について質的に評価した。成果物は一定の質と量を満たしたが、日本語運用能力の個人差が大きく、活動時の支援に加えてAI等の活用の必要性が示唆された。教授設計はライゲルースの「デジタルメディア協働製作のデザイン」を基に評価し、シラバスの再設計、具体的スキルの評価方法とルーブリックの確立、日誌・ログの記録と導入、失敗の共有と相互フィードバック、評価者や真正なユーザーの範囲拡大、ユーザー評価の再定義、リーダーシップの育成、リソースの最適化、時間管理の再検討等の改善方針が明らかになった。
  • 視覚的言語自伝でALTの複言語主義を知る
    ピアース ダニエル ロイ, モリアーティ ニコラス ゼイン
    2023 年11 巻 p. 78-94
    発行日: 2023年
    公開日: 2025/04/27
    ジャーナル フリー
    外国語指導助手(Assistant Language Teacher: ALT)は言語・文化的に多様な集団である。しかし、多くの先行研究や政策文書においてALTの表象は未だ「英語のモデル」が中心となっていることから、ALTの複言語主義が教育に還元されていないことがうかがえる。そこで、本研究はALTの複言語主義を活かすために、「視覚的言語自伝」の可能性を検討することにした。教職課程に在籍中の著者の一人が、(元)ALTの作成した「視覚的自伝」を巡り、ALT本人の複言語主義と教育経験を中心に対談を行った。対談と事前・事後インタビューの質的分析から、複言語主義の意義について、著者だけではなくALT自身も啓蒙されることがうかがえた。分析結果に基づいて複言語話者のALT の活用の課題を考察するとともに、教員養成について示唆する。
  • 楊 晶晶
    2023 年11 巻 p. 95-111
    発行日: 2023年
    公開日: 2025/04/27
    ジャーナル フリー
    本稿は中華人民共和国(以下、断りのない限りにおいて「中国」とする)成立以来の小中高における外国語の教育課程基準を通時的にまとめ、四つの異なる時期に告示された教育課程基準を分析することにより、高等学校の外国語科の教育課程基準の新たな特色を明らかにしたものである。本稿で指摘したのは以下の2点である。1つ目は全ての教科に共通する枠組みである「核心素養」という概念の導入であり、もう1つは今まで教科として実施してきた英語、ロシア語、日本語の他、ドイツ語、フランス語、スペイン語という3言語が教科に盛り込まれたことである。「英語一辺倒」といわれる中国でも多言語教育の動向がみえてきたが、その特色と同時に教育の現場での変化や問題点についても言及する。
  • 共通語彙テストの実施報告
    大岩 昌子
    2023 年11 巻 p. 112-121
    発行日: 2023年
    公開日: 2025/04/27
    ジャーナル フリー
    本稿は、名古屋外国語大学が提供する「複言語プログラム」の構築とその拡充の経緯を概説するとともに、複言語教育の質保証と学習効果の可視化を図る試みのひとつとして実施した共通語彙テストの結果について報告する。2017年に全学化した同プログラムには、英語を含めた12言語が設置され、外国語大学の独自性を保ちつつ、本学のダイバーシティの要として発展してきた。2021年度からは、英語以外の全言語に共通する語彙データベースを土台としたVocabulary Learning Systemの運用が始まった。翌年の2022年、全学的に実施された共通語彙テストの得点に関し統計分析を行ったところ、言語別、レベル別に語彙力の差が確認されるという結果が得られた。
  • 廣瀨 瞳
    2023 年11 巻 p. 122-131
    発行日: 2023年
    公開日: 2025/04/27
    ジャーナル フリー
    本報告は、「逆向き設計」論に基づいた指導案の作成、及び授業の実践についてである。「逆向き設計」では、まず年間目標を設定し、そこから逆算して単元ごとに必要な指導や評価の計画を組んでいく。そして、各単元にパフォーマンス課題を設け、単元ごとの目標が達成できているかを評価する。これによって、何のために各単元の学習項目を学び、それらの学習を通して生徒は何ができるようになるのかがより意識される。 本稿では、筆者が埼玉県立坂戸高等学校のスペイン語の授業において実際に作成した指導案やそれに準じて行った研究授業、及びパフォーマンステストとその評価について具体的な例を挙げながら論じていく。
  • やさしい日本語、複言語資源の活用
    山田 悦子 
    2023 年11 巻 p. 132-142
    発行日: 2023年
    公開日: 2025/04/27
    ジャーナル フリー
    本稿は留学生と日本語母語話者学部生とが共に学ぶ英語による国際共修型多文化クラスで、英語の非母語話者が心理的な言語障壁を感じてうまく参加できていない状況の改善策についての実践報告である。まず、非母語話者への配慮を含み、皆が平等に参加できることを目指す、リンガフランカとしての英語とやさしい日本語を組み合わせた部分的バイリンガル方式を導入した。その後、学生たちが学んだことのある言語すべてを複言語資源として活用するプロジェクトを導入した。平等な参加は完全に実現できたわけではないが、言語調整への見解を充実させた旨の示唆が見られた。言語障壁の効果的な軽減へのアプローチをさらに探究する必要性が提示された。
  • 言語本位から学習者本位への転換を求めて
    湯山 トミ子
    2023 年11 巻 p. 143-152
    発行日: 2023年
    公開日: 2025/04/27
    ジャーナル フリー
    外国語学習者は誰しも「母語+外国語」の学習歴をもち、個別言語能力に還元できない言語能力を育んでいる。本稿は、この個別言語に還元できない統合的言語能力に着目し、その活用、活性化により、学習者の自律的、主体的な言語学習を促進できる複数言語対照連携学習について考察する。具体的には、日本語を母語とする初修中国語学習者の中英同時対照学習システムの構想を対象に、期待される効果と課題について分析する。これにより、本稿は、言語単位に構成される現行の単言語型多言語学習に対して、学習者の内在的な言語能力の活用により、言語活動主体としての学習者の創出、学習者の視点に立つ学習者本位の多言語学習の可能性を展望する。
  • 5言語必修の多言語授業と国際交流
    中尾 雪路, 高野 正之, 三好 アンジェラ, 橋野 勇一, 栗森 幸穂, 金田 蒼馬, 植田 晴香, 吉村 雅仁
    2023 年11 巻 p. 153-162
    発行日: 2023年
    公開日: 2025/04/27
    ジャーナル フリー
    本稿はまず、2020年に開校し、2023年3月に1期生をはじめて送り出した奈良県立国際高等学校における5言語必修の多言語授業およびそれに伴う国際交流の取組について、生徒の振り返りや教員の所感を報告する。また、それらに基づき、生徒の学びを複言語主義の視点から分析するとともに、このような授業実践に必要な教員の取組や配置について検討を加える。
  • 世界を映し出す多様な言語との出会い
    巴山 未麗
    2023 年11 巻 p. 163-169
    発行日: 2023年
    公開日: 2025/04/27
    ジャーナル フリー
    筆者は2023年3月から9月まで、30カ国をホームステイで巡りながら、言語調査を行ってきた。本稿では、筆者が体験した30以上の言語をいくつかのテーマに分けて進めてゆく。具体的には、第2章ではこれまでの外国語の歩みについて、第3章では多言語状況とコードスイッチング、第4章では各国におけるフランス語、第5章では言語と色の認識、最後に第6章で無文字言語と書記化、について触れる。
  • 横田 莉子
    2023 年11 巻 p. 170-174
    発行日: 2023年
    公開日: 2025/04/27
    ジャーナル フリー
  • 境 一三、山下 一夫、吉川 龍生、縣 由衣子著
    臼山 利信
    2023 年11 巻 p. 175-184
    発行日: 2023年
    公開日: 2025/04/27
    ジャーナル フリー
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