最終年度のシンポジウムでは,大学教育・経営人材育成やプログラムのあり方に関するこれまでの議論を基礎に,豊富な論点が示された.とくに,実務に即応した専門知識を講座に落とし込むノウハウや,実践的課題による共修の仕組みづくり,リサーチ・クエスチョンに基づくインスティチューショナル・リサーチ(IR)の実践等,大学教育・経営の現場にとっても有益な示唆が得られたといえる.本稿では,今後の継続的な研究活動を見据えつつ,とくに教育システムの観点に立ったプログラム開発における「評価」のフェーズに視野を投じながらコメントを提供する.さらに,多様な大学教育・経営人材育成の場のゆるやかな連携による,広い意味での専門人材育成システムの構想や実装の可能性について述べる.