2004 年 17 巻 1 号 p. 27-38
要旨:近年,海洋性レジャーはゆとりと精神的豊かさ,潤いのある生活をもたらすものの一つとして国民生活に定着してきている。そのなかでも,従来からのヨット・モーターボートに加えて低価格な水上バイクの普及が進んでいる。しかしながら,陸上の交通施設と比校すると,海上から何時でも自由にアクセスできる給油施設食事や休憩のための施設等はほとんど見られない。そのため,プレジャーボートは,保管場所であるマリーナを拠点にした限定的なエリアでの活動が中心となっている。現在,海上から自由に利用が可能で,給油,食事や宿泊が可能となるような施設の設屈計画が進められているが,誰でもが利用しやすい場所にそれらが設置されているとは言えないのが現状のようである。そこで,より活発で広範囲なマリンレジャーに対応するために,これまでの数理計画モデルでは解けないネットワーク栴造を持つ海上サービス・ステーションの最適配慨問題について非線形の数理計画モデルとして定式化し、その解法の検討を行った。そして,ケーススタディとして瀬戸内海海域に現在設置が進められている「海の駅」の配置についてモデルを適用した結果を示す。