要旨:乳幼児は身体の成長によって最も重要な時期であり,その皮膚への過度な紫外線被曝は蓄積され生涯にわたり健康に影響を与える怖れがある。紫外線の害は世界に知られつつあるが,乳幼児は自らの意思で行動場所,時間,着衣,着帽,化粧品などの被曝防御をすることは出来ない。したがって親が乳幼児の被曝に対する責任を負う。とくに海水浴のように紫外線を防ぐ施設や樹木が少なく,かつ水着のように薄着で長時間滞在する場合,親が乳幼児の紫外線被曝に対して細かな配慮が必要である。本研究は千葉県稲毛海岸において65人の乳幼児の海水浴での紫外線被曝と防御対策に対して,行動調査とアンケート調査を実施したものである。調査の結果,紫外線が最も強い時間帯に滞在者が多いこと,肌の露出の多い服装であること,曇天日の防御が手薄であることがわかった。