2019 年 32 巻 1 号 p. 47-56
要旨:近年では,環境配慮を目的としたコンクリートの開発が進められている.コンクリート中にアミノ酸を混和したアミノ酸コンクリートを水中に沈設すると,藻類などの一次生産機能の活性化,水生生物の蝟集効果が報告されている.本研究ではこのアミノ酸の効果を応用し,アミノ酸入りコンクリート用被膜養生剤を提案し,その環境機能のひとつである付着微細藻類増殖への効果の定量化を行うこととした.海水掛け流し式水槽に,養生剤を塗布したブロックを沈設して付着微細藻類を培養し,剥ぎ取り試験を実施した.また,ブロックからのアミノ酸溶出試験も併せて実施した.この結果,養生剤にアミノ酸を混和すると,混和しない場合に比べて最大で約3.9倍のChl.a+Pheo.量がブロック表面で確認された.