要旨:IPCC第5次評価報告書によると,ライフスタイルの選択によっては最大0.82 mの海面上昇が起こるであろう事が報告されている。有孔虫外殻や破砕されたサンゴレキが堆積した環礁州島の平均標高は数mであり,海面上昇の影響が深刻な地域である。そのような中,マーシャル諸島マジュロ環礁では,大まかな有孔虫生息域は把握されているものの,個々の島嶼毎に生息域は明らかにされていない。都市化も進んでおり,生息環境の保護のためにもハビタットを明確にすることが重要と考えた。本論では,ハビタットマップ生成に先立ち,マジュロ環礁の1島であるEneko島を対象とし,ドローンを用いた予備調査を行った。結果,地形的な特徴から有孔虫が多く分布する領域を把握できることを明らかにした。また,予察という観点で詳細な有孔虫分布域把握に向けた課題を整理した。