2004 年 16 巻 1 号 p. 115-124
関門航路のような狭隣航路の浚渫工事は急潮流,大型船舶輻枝,硬い岩盤といった数々の困難な制約を受けることが多い.そのため従来のグラプ浚渫船等による浚渫工事では,激しい潮流による制約や船舶の航行を確保する必要から浚渫時間がわずかしか取れず,施工に長期間を要する.そこで船舶航行の制約とならない水中ロボット方式の岩盤浚渫工法の研究開発に着手した.研究開発の内容はエ法の検討,移動体の方式,浚渫方法等多岐にわたるが,ここでは作業中の浚渫ロボットの強潮流下における安定性という点から,潮流が浚渫ロボットに与える流体力を模型実験等により調査し,浚渫ロボットの潮流中における安定性を検言寸した結果について述べる.