閉鎖性海域の汚染とそれに伴う生態系の変化は,国際的にも重要な環境問題として取り上げられている。また,赤潮や青潮の発生によって漁業被害が起こるなど、市民生活に密接な問題でもある。このような閉鎖性海域を正常な状態に回復させるためには,水質および底質浄化を行う必要がある。
本研究では,海水の水質浄化技術として,開発した浄化船が適用できるかどうか,実海域で実験を行いその浄化能力について検討した。その結果,浄化船に導入された海水は, SS が80%以上、CODが18 %程度除去されて海に戻されるということが明らかとなった。また,浄化した海水の溶存酸素量は,浄化前の海水に比べて1.0ppm以上高い値が維持される。これらの能力から,海水浄化船を対象とする海域で稼働させることにより,その貧酸素状態を改善し透明度を向上させることが可能であるということがわかったっさらに,海水浄化船のシステムが,赤潮プランクトンの除去などに十分対応できるものであるということがわかった。