大都市圏の市街地に取り残された漁港をその立地上の変遷過程によりタイプ分けし、Type 別に海岸線からの距離による土地利用の構成の変遷を奥行6km 前後の沿岸域の土地利用との対比により分析を行い、漁港周辺域とその他の地域の相違の把握を行った。
その結果、取り上げた漁港のほとんどで漁港周辺域は工業用地の占有率が低く、住宅用地の占有率が高く、漁港の周辺は内陸部と類似した特異な土地利用の構成を成していることが示された。全Type の漁港の周辺域での現象であることから、漁港の存在とその影響がこの様な結果を示した一要因であり、歴史的な市街地形成や漁港・漁村の存在自体が重要なファクターであると考察した。