抄録
本稿は、日本における非営利組織研究の形成過程を明らかにすることを目的とし、非営利法人研究学会、日本NPO学会、国際ボランティア学会という代表的な三学会の設立趣旨や研究動向を比較分析したものである。分析の結果、これら三学会は同じく非営利組織を対象としながらも、それぞれ異なる問題意識から形成されていることが明らかとなった。このことから、日本の非営利組織研究は単一の理論体系のもとで成立したのではなく、1990年代後半の社会変容を背景として、複数の社会的課題への関心が交差する領域として発展してきたことが示唆される。本研究は、学会研究という手法を通じて、日本の非営利組織研究の形成過程の一端を明らかにするものである。